AIの時代、Webサービスはどうなっていくのか
事業考察2026-04-1710分で読める

AIの時代、Webサービスはどうなっていくのか

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AIが普及してから、Webサービスを取り巻く環境が大きく変わってきた。誰でも簡単にサービスを作れるようになった今、これからどんなサービスが生き残っていくのかを考えてみた。

「作るコスト」がほぼゼロになった

ChatGPTが登場してから、Webサービスを作るのにかかるコストが劇的に下がった。

以前は、アプリやサービスを一つ作るのにエンジニアを雇う必要があったし、外注すれば数百万円かかることも珍しくなかった。それが今では、プログラミングができない人でも、AIを使えばある程度動くものを作れる時代になった。

これは一見すると良いことのように聞こえる。でも、裏を返すと「誰でも作れる」ということは「差別化が難しくなる」ということでもある。

同じようなサービスが溢れている

実際、今のWebサービス市場を見ると、似たようなサービスがたくさん並んでいる。

家計簿アプリ、タスク管理ツール、予約システム、レシート読み取り——どのカテゴリも、選択肢が多すぎて選べないくらいある。機能もほとんど同じで、あとは値段で選ぶしかない状態になっている。

これを「コモディティ化」と呼ぶ。農産物で言えば、同じ品種の米はどこで買っても同じだから、結局一番安いものを選ぶ、あの状態だ。

Webサービスでも同じことが起きつつある。

AIによって3段階で変わっていく

この変化は、段階的に広がっていくと思っている。

第1段階: シンプルなツール(すでに起きている)

PDF変換、画像圧縮、QRコード生成——こういったシンプルなツールは、すでに差別化がほぼ不可能になっている。無料で使えるものが山ほどあり、有料にする理由が見つからない。

今からこの領域で新しいサービスを始めるのは、正直かなり厳しい。

第2段階: 業務向けSaaS(今まさに起きている)

プロジェクト管理、顧客管理、請求書発行——こういった業務ツールのジャンルで、今まさに淘汰が進んでいる。

Notionのように「なんでも一つでできる」ツールが台頭し、特定の機能に特化した小さなサービスの居場所が狭くなっている。さらに、AIが「そのツールじゃなくても、私がやります」と言い始めている。

乗り換えるコストも下がっているので、少し安いサービスが出れば簡単にユーザーが移ってしまう。

第3段階: 代行・受託系(これから起きる)

SEO記事の執筆代行、デザイン制作、カスタマー対応——人が手を動かして提供していたサービスも、AIに代替されていく。

2〜3年後には「外注するより自社でAIを走らせた方が安い」という判断が当たり前になるかもしれない。

それでも生き残るサービスの特徴

では、この流れの中で生き残るサービスはどんなものか。

使えば使うほど、そのユーザーに合っていく

長く使い続けることで、そのユーザーのデータが蓄積されるサービスは強い。

例えば、何年も使い続けた家計簿アプリには、その人の収支の傾向や習慣が全部入っている。新しいサービスに乗り換えたくても、その蓄積を持っていけないから踏み切れない。

AIが新しいツールをいくら作っても、「あなたの過去5年分のデータ」は再現できない。

使う人が増えるほど、価値が上がる

口コミサイト、マーケットプレイス、SNS——こういったサービスは、参加者の数がそのままコンテンツになる。

後発のサービスが「より賢いAIを使いました」と言っても、ユーザーが集まっていないと意味がない。ユーザーのコミュニティごと移行させるのは、機能を改善するより何倍も難しい。

資格・規制と結びついている

医療、法律、建築、金融——こういった領域は、AIがコードを書けても規制や資格の壁がある。

「医師法」や「弁護士法」は、どんなに賢いAIが登場しても変わらない。人が関わらなければいけない仕組みが残っている領域は、コモディティ化しにくい。

地域・ニッチに特化している

「全国対応」「あらゆる業種に」という汎用サービスは、AIとの競争に巻き込まれやすい。

逆に、「この地域の、この業種の、この人たちのためだけ」に特化したサービスは、AIが苦手とするきめ細かい対応が武器になる。小さな市場だからこそ、大きなプレイヤーが入ってこない。

ブランドへの信頼がある

機能がほとんど同じなら、人は「知っているもの」「信頼できるもの」を選ぶ。

クラウドサービスはたくさんあるのに、AWS・Google Cloud・Azureに集まるのはこのためだ。機能で差がつかなくなればなるほど、「名前を知っている」「ちゃんとしていそう」という安心感が購入の決め手になる。

2028年に向けた予測

これからどうなるか、個人的な見立てを書いておく。

小さなSaaSの多くが消えていく

AIエージェントが普及すると、特定の機能だけのツールを使い分ける必要がなくなる。「このタスクはこのAIに任せる」という世界になると、SaaSの形でサービスを提供することの意味が薄れていく。

データを持っているサービスだけが残る

長く使い続けることで蓄積されるデータが資産になるサービスは、解約率が下がる。逆に、データが溜まらないツール系のサービスは入れ替わりが激しくなる。

企業向け(B2B)の方が個人向け(B2C)より安定する

企業はサービスを簡単に乗り換えない。コンプライアンスや社内承認のプロセスがあるし、「使い慣れたもの」を変えたがらない文化もある。個人向けよりも安定した売上が見込みやすい。

地元密着・特化型が意外と強い

グローバルを狙う大きなサービスはAIに飲み込まれやすいが、「この地域のこの業種向け」に絞ったサービスは生き残りやすい。大手が手を出しにくいから競合が少ないし、顔が見える関係で信頼が作りやすい。

まとめ

AIの普及で「作る技術」は誰でも手に入るようになった。これからのWebサービス市場は、機能の差よりも「誰を信頼するか」「どのデータが蓄積されているか」「どのコミュニティに属しているか」で選ばれるようになっていく。

技術で勝負する時代から、関係性や信頼で勝負する時代へ——そんな変化が、静かに、でも確実に進んでいる。

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